真昼に星は見えるか?
−歪んだ北極星U


 
後書き





 前作よりは約十話短く完結しました。
 恒例のように一章から語っていきます。

 第一章−【散らばる明日はまだ嫌−雪の章−】

 とりあえず、ちとくら逃避行、までの章なのであんまり語ることないです。
 白石があそこまで迷うのは白石だからで、千歳があっさりしすぎなのは千歳だから。
 考え方違う。
 ここで千里を大いに役立てたくて、一部で「蔵ノ介殿下」を復活させなかったのです。


 第二章−【誰彼の五大魔女−暁と陰の章−】

 千歳、白石、謙也、財前を匿う国は南方国家〈パール〉と決めてました。他にない。
 目標は白石が千歳を裏切るまで&白石への元老院の手出しを封じる&新五大魔女お披露目。
 ただ途中で千里の「無敵」っぷりがあまりに物語に弊害を及ぼすので、もっと後を予定していた殿下との再会シーンに
 急ぎました。
 越前が普通に千里を重臣にしたのを後悔してますが、書いた私も後悔しました。無謀に無敵すぎたあの人!
 その様があんまりに怖いので謙也にぼやいていただきました。
 謙也の力のなりかたは最初から「魔法」じゃない形を考えてました。
 途中から、登場した蔵ノ介殿下、最初書いたら勝手に謙也を誘惑したので「ああ、そういうキャラなんだ」と理解して
 突っ走らせようと思いましたが早く書くことになった千里との再会で有耶無耶に。
 もうちょっとやりたかったです殿下無敵モード。
 謙也の殿下への「色目使わないで」はごもっとも。あんな人に色目使われたら困ります。
 個人的に、千歳&白石のシーンより、千里&殿下の再会シーンに熱入れました。
 大変に、書いた!感が強かったです。あーよかった、みたいな。
 あと、このあと多発することになる千歳&千里ツーショット。
 書いてる方も、見てる方も、聞いてる方も気持ち悪いですね。
 言葉も同じ、声も同じ、姿も一緒。…本当にイヤだなぁ。楽しいんですけどね。この二人は。
 あと、新五大魔女は最初しっくり来てなかったです。
 というか、第五十代面子、第二十代面子がしっくり来すぎた所為。今は第五十一代も楽しい。しかし任期ろくになかったな第五十一代。


 第三章−【炎の魔女の烙印−冬の章−】

 書いてて、どうでもいいが二部は山場がないなー、と。
 一部は外敵(第二十代、北極星、南方国家〈パール〉他千里)が一杯いたので至るところで作れた山場が作れない!
 と気付いてどうしよう、と。外敵は作らない、が二部のコンセプトでした。
 一部と似た流れにしたくなかったし。
 結果、千歳に暴走していただきました。「業火・暴走」のタイトルで一発でわかったんじゃないかなーと。
 次の「消えた漆黒王弟」もその考えを強めますね。事実その通り。
 新・五大魔女の一人を忍足にしてよかった、と思いました。
 千歳と戦ってくれるキャラが他にいない。謙也もありなんですが、謙也は魔法がない。
 千歳が傍に立っただけで普通の人は怖いですよ。本人が普段意識させないからいいけど。
 忍足は伊達に跡部と並んでません。日吉も伊達に跡部の後輩やってません。
 ところどころで口挟む越前が楽しかったです。
 そして完全フォローに回る千里&殿下。
 千里「なんであいつの尻拭い俺がやらないけんね?」リョ「その前はあんたの尻拭いを千歳さんがしたんじゃないか」
 とかいう会話をいれなくてよかったです(爆)
 どっちにせよ両方で被害者です。白石。
 二部になってがっつり千里の心情を書けてうはうはです。一部は書く暇なかった。
 冒頭のリョーマとの再会シーンも、最初蔵ノ介はリョーマをなんて呼ぶか、呼ばせるかと迷って、でも一部でリョーマが
 普通に殿下を「弟」扱いしてたしな、と「兄様」に。
 リョーマが千里を警戒したのは当たり前。でも千里は前科がある分おとなしいんです。
 無闇にかみつきません。
 そして一部ではなんのウィッチかすら書けなかったリョーマのウィッチ資質ばらし。
 三属性ウィッチです。あと、殿下の謎っぽい呼び名も併せて後に番外で書きたいと思います。
 とりあえず、無謀ですこっちの財前。フォローする日吉と鳳。
 奴らの普段の会話はこんなんです。

「おい、長太郎! また字、間違えてんだよ。何度目だよ」
「若だってここ間違えてるよ?」
「これは間違えてんじゃない。くせ字だ」
「えばることじゃない…」
「見る俺からしたら両方間違えてるって話やっちゅーの。
 若、字の見本壁に貼るか?」
「いらない」
「俺、貼っておくよ?」
「やめろうざいお前」
「両方うざ…」
「「なんか言った?」」
「お前らマジで双児ちゃうんか…?」

 的な。
 普段はツッコミは財前。
 千里的には「俺さえつっこまなかったことをつっこむからばい…」です。

 跡部の携帯越し乱入は予定してたようでしてない。
 実は一章で現代組が出た時「あれー?」だったんです。出す予定なかった。
 今は、「現代組がいなかったら成り立ってなくないかこの話」。
 これは思い出したように「一部必読」な設定がよく出ますね。その前提があるから好き放題やれるんですが。
 千里と殿下は最たるものです。
 白石が現代に行くのは跡部介入を決めてからはすらっと決まりました。
 傍にいないほうがまとまる、と。
 そして実際、千里が無敵じゃなくなっててよかった。殿下がいなかったら見たくもないだろうあんなの。
 白石&千歳を二人出した時点で一回やっとくか、な千歳が殿下を襲うシーン。
 でも、結果はああで、あれ以上進めるつもりもないです。以前に、千歳も絶対最後まで出来ない。


 第四章−【濁ったノーザンクロス−螺旋の章−】

 お久しぶりな現代組のターン。そんなに書けなかった。
 千石と橘いてよかった。主に千石。
 跡部の手塚、丸井への胸中が楽しい。
 二話の乾&柳共同戦線が一番楽しかった。
 一部で乾は魔法使ってないからなんのウィッチかも謎でしたし。柳と仲良くしてなかったし。
 この二人の掛け合いが楽しくて、自分がかつて「柳乾」にはまっていたことを思い出しました…。
(ハマった順番・塚不二→海乾→柳乾→知念木手→千蔵)
 その辺の片鱗は「DESIRE」でも出てましたが…。(むしろあれは大放出)
 私が群馬県民なので群馬をむちゃくちゃ書いてます。真面目にああです。
 若干合ってないこともあります。
 CROSS LINE編、第一話はまた気味悪い二人のツーショットだ!から始まって殿下と千里の話。
 千里、図星か。
 さりげなく暗闇の中むくっと起きる忍足&日吉に愛。
 でもなんでか千里&殿下のシーンはシリアスはまだしも甘甘にするとこっちが恥ずかしくて。
 年のせいか。こいつら両方30代だからな。
 日吉はさらっと入れるジャブが楽しいキャラです。「今、聞いて来ましょうか?」(殿下に)じゃないよ。
 果たして千里が「体位を聞くことまで」遠慮したかは定かではないです。案外殿下のことで一杯で頭になかった可能性も大。
 そしてカップリング表記「光謙」を無視してきてしまって、やっと書けた光謙。本当は気付いたら財前の喜怒哀楽が豊か&身長高いに日々どきどきする謙也を書きたかったのですよ。千歳の所為で書けなくなりました。
 電話で→一瞬の再会、はラストの伏線です。
 もっとこじれることも危惧したんですが、案外この二人は丈夫でした。


 第五章−【黄泉へと降れ−冥府の章−】

 個人的に書く山場はむしろ千里。
 前半は。彼はいちいち昔を見るようでしんどいかと…。
 後半、再び登場な第二十代。
 赤也は楽しいな本当。「あなたの切原赤也っス」は対千歳への決まり文句ですね。
 そして一言全部が悪いなー楽しいなー。
 でもきちんと宣言しとくあたりはしっかりしてます。
 そして赤也はひたすら叫んでばっかです。テンション高いなー。
 「味方」として書く第二十代はひたすら楽しいの一言。
 しかも本人たちに悪意のない発言です。それが案外的得てるけど余計な発言には違いない。
 再登場を決めた時点で=第二十代の復活=第五十二代は決定しました。


 最終章−【そして星の物語は幕を下ろす】

 ラストの最良の形はやっぱりフレイムウィッチではない千歳&王子じゃない白石、でした。
 千歳の世界越えも、白石の死(?)も伏線です。なので忍足の四章の回想も伏線。
 跡部の訴えはごもっとも。気持ち悪いと思います。
 リョーマは男前だ、と己で思ってしまいました。ピースサイン切る彼はいろいろ整理出来てるんでしょう。
 男前度では負けてるよ、千歳。
 四天宝寺メンバーの別れはあっさりなのかどうなのか。
 ラストの「第五十代」「第二十代」という会話は新鮮で嬉しかったです。
 最後に味方として書けた。
 小石川と白石は、…はい、ちょっと願望が…。







 番外【第二十代】編

 ついでにここも語っておきます。
 第二十代のその後の番外。
 赤也は初っぱなっからハイテンション。
 シルバーシートとかえばることじゃないって。ちょこちょこ説明いれる柳がいい。
 呪われし、じゃなく書くと楽しいなこいつらは、と。
 普通に楽しかった台詞とかがぽんぽん浮かぶので。
 ほぼ赤也に書かされた感じです。
 本筋で書けなかった柳生&仁王とか、厚遇になれてないジャッカルとか。
 食べ物年がら年中食べてる丸井はテニミュの丸井役から。元からですけど丸井は。
 ただサポーターズ立海を見て、ケータリング置き場にいる丸井役、出演者じゃないのに、に笑って、あ、この人丸井なんだ…と。
 あと、第二十代は立海メンバーと決めていたと一部後書きでも言いました。
 でも真田を外した理由が今はわからないんですよね。条件的に「柳」「赤也」も一緒の筈です。対がいる。
 何故だろう。あと、跡部達的に「真田弦一郎」を知らない柳・赤也はねーよ、とやりたかった。
 書けて良かったです。一部ラストが本当のラストじゃあんまりですし。


 歪んだ北極星、これにて本当に本当にエンドです。
 これより先の続編はありません。絶対にありません。
 これで本当に北極星は完結。三部はあり得ません。
 番外でいろいろ書く予定はありますが、本筋はこれにてエンドです。
 では長いこと有り難うございました。
 歪んだ北極星『−クラシカル番外』に全く意味はございません!
 以上、終了。


 海瀬徹