第四話−【悲しみは夜に置いて】
視界を覆う光が消えたあと、千歳の眼に触れたのは小さな雪。
雪? まだこの国には降らない筈。そう思って視界に見える景色が今までいた場所と異なると知る。
暖かいのだ。
今は冬だ。なのにここに見えるのは、一面の青く茂った緑。
地面を覆ういくつもの草花と、道に連なる木々に咲く花。
今視界に見えたのは雪ではなかった。花弁だ。
「驚いた?」
「…ここ」
東霊国〈ロザリア〉だよ、と幸村が笑った。
話としては、知っていた。
西霊国〈ジュリエッタ〉は寒冷気候の国。その真逆に位置する東霊国〈ロザリア〉は温暖気候の春の国。
「……おぉ?」
傍の木の上で眠り調子の声が響いた。千歳が顔を上げるとそこには銀の髪の、木の枝に乗って船を漕ぐ青年。
「お前さん、…熱そうじゃのー」
「……………」
しみじみ言われて、そういえば熱いと気付く。寒冷気候の国に合わせた服なのだ。温暖気候の国に来て熱くない筈もない。
「無理せず脱げ脱げ」
「ほっといてくれんね。てかお前誰か」
「お前の台詞じゃないぜよ。ここは俺らの国。お前さんはよそ者」
それもそうなのだが。
「仁王。いじめちゃダメだよ」
幸村が彼を「仁王」と呼んで唐突に彼の乗っている枝を折った。
素手で枝を折れるのかとかいうツッコミは最早ナンセンスだ。彼は聖霊なのだから。というかそういう場合ではない。
「幸村っ!」
それが落ちる!と焦った千歳の眼前で仁王という青年はふっ、と消えた。
「……え?」
「いきなり枝折るとは酷いの幸村」
声は、背後からした。
「久しぶりの再会じゃ。もう少し手柔らかに頼めんか?」
「久しぶりなのにお前がサボってるみたいだったからだ。
俺がいない間、赤也たちをしっかり守ったんだろうね。
お前も東霊国〈ロザリア〉の守護聖霊だって忘れてないか?」
「俺は大分不良聖霊やけん、こんぐらいでええ」
振り返った千歳の前で仁王が地面を蹴ると、宙にそのまま浮かんでまた寝ようとする。
それを引っ張り降ろして、幸村が千歳と向き合わせた。
「ごめんな。仁王にびっくりしただろ」
「そいつ…も聖霊?」
「そう。仁王って言うんだ。
あと数人いるんだけど、…仁王、他の奴らは?」
まさか俺みたいに封印された?と流石におそるおそる聞いた幸村に、仁王は全く違うと否定する。
「あいつらなら、赤也と追いかけっこやらお前の菜園の手入れやら読書やらで忙しいだけじゃ」
「……取り敢えず、赤也を追っかけてるのはブン太で追いかけっこじゃなくて赤也がブン太怒らせただけだろ。
菜園どうにかしてくれてるのはジャッカルだな? 読書は柳生だろ。蓮二も一緒の間違いじゃないのか」
「流石幸村。大当たりじゃ」
「そんな何十年も封印されてないし」
すっかり置いてけぼりになった千歳が参った、と空を仰いだ時、頭上から大声が響いた。
そこは上の階に吹き抜けの通路があった。そこからだ。
「待て赤也―――――――――――――!!」
「ぎゃー! すんませんすんません!」
「……赤也だ」
幸村が動きを止めて通路を見上げる。飛べるなら飛んで覗けばいいのに、何故中途半端に人間ぶるのかわからないと千歳は思う。
「あ、そこ退け!」
「…へ?」
うっかり内心幸村に突っ込んでいた所為で、反応が遅れた。
通路の縁に足をかけた少年が、そこから勢いよく飛び降りたのだ。
「うわっ! 馬鹿赤也!」
追いかけていた声が思わずそう言うのを聞くのと、条件反射で受け止めようと構えた千歳の頭上で綺麗に反転した身体の足が千歳の顔面を踏んづけるのは同時だった。
「ぅぐ…っ!」
「っとととと……。あれ?」
呻いてぶっ倒れた千歳の上に着地した少年が、足下を今頃見て意外そうな声を上げる。下に人間がいるのがわからない、と。飛び降りるときしっかり自分を見た癖に。
「うわ、誰、このでっけー人」
「とりあえず、顔から退いてやれ。赤也」
「あ、仁王さん。また昼寝ですか?
相変わらず人間らしいっスねー」
「いいから、俺と世間話する間に退いてやれ。
俺、そいつ全然知らんが流石に哀れじゃ」
「はーい」
やっと千歳の上から退いた少年に、起きあがった千歳が口の中に入った泥をぺっと吐き出しながら、顔に出来た擦り傷を押さえつつ見上げた。
黒髪の、白石より幼い顔の少年。
「で、仁王さん、この人誰?」
「俺もしらん。幸村が連れてきよった」
「…、へ?」
ぽかん、とした少年の前でひらひらと幸村が手を振る。
「元気そうだな。赤也。背は伸びたか?」
「…幸村、さん?」
父親みたいなことを言う幸村に、この少年も聖霊かと思う。聖霊に親子という繋がりがあるかなんて知らないが。
「幸村さんっ!」
やっと幸村を認識した少年が抱きつくのを受け止めて、幸村が自分より小さな身体をよしよしと撫でる。
「ずっと、急にいなくなって俺も真田さんも心配してたんですよ!
柳さんは「ひょっこり帰ってくる」なんて言いながら心配そうだし!
俺、力の使いすぎで消えてたらって心配して!」
「赤也、赤也。聖霊に『力の使いすぎ』はないから」
「あ、そうなんですか」
「あ! 幸村くん!?」
二階の通路から聞こえた声と共に、赤い髪の青年が顔を出す。
ひょいと同じように飛び降りてきた青年が、とんと地面に着地するのを見て、千歳は同じことを思う。
この青年も多分聖霊らしい(今までの会話から)が、本当になんでみんな聖霊なのに中途半端に人間ぶるんだろう。普通に重力の法則意識した飛び降り方する必要あるんだろうか。
「わあ! ひっさしぶりじゃん!」
「久しぶり。で、そろそろ会話がぐだぐたになるから自己紹介してやって?」
「誰に?」
「そこの俺の恩人」
千歳を揃って見る彼らに、だから本当にと思う。
その背後から、「あ、精市」という声がした。またか、と思った。
赤也、という少年は聖霊ではなかった。
東霊国〈ロザリア〉の王子だという。それ以外の『丸井』『仁王』は聖霊で、最後に幸村を「精市」と呼んだ声の主はこの国の宰相で人間の柳蓮二。
「へー、あんたが幸村さんを。
そんじゃおもてなしすんのが礼儀ですよね!
柳さんっ」
「そうだな。そのうち弦一郎も帰ってくる。
食事の準備でもさせておこう」
「…いや、あの」
「まあまあ、力になってくれる人たちの話も聞かないと」
「幸村、…力になってくれるって…東霊国〈ロザリア〉の王族のこったい?」
「一応」
よくわからない。西霊国〈ジュリエッタ〉と政権争いをしている東霊国〈ロザリア〉の王族が、聖霊一人助けただけでこんな退役(しかも敵国の)軍人の力になるだろうか。
「ところで、客人。
服はいるか?」
「は?」
「いや、…汗が大変なことになってるだろう?
薄手の服はいるか?」
「……お願いしてよか?」
正直、本当に暑いのでここは甘えた。
「改めて、俺はここの第一王子の切原赤也。
今いないけど、国王の真田さんの弟」
「……? 真田、の『真田』って家名?」
「そうですよ」
「…名字」
「ああ、俺は真田さんの養子。実の弟じゃねーです。
跡継ぎに真田さんが引き取って。
だから未だに真田さんて呼んでます」
それで『兄』と呼ばないのかと理解した。
「『千歳千里』。
西霊国〈ジュリエッタ〉の元准尉。
当時の戦績は相当高く、うちの軍もよくやられたという情報がある。
右目を負傷して退役したと聞いたな」
薄手の服に着替えた、ソファに座る千歳を見下ろして、柳が言う。
「やっぱり、敵国の元軍人は信用おけなかね?」
「いや。精市が見込んだ人間だ。
それ以上の論証はない。うちの軍を動かす権限ならある。
力なら貸してやれるぞ」
「……え、えぇっ!? なんでそげんあっさりしとうや!?」
「「だって『幸村』を助けた恩人だし(な)」」
赤也と柳が、顔を見合わせて「な」と言い合う。
「幸村?」
説明をくれ、と視線ですがった千歳に、幸村が言ってなかったかと今更な顔をした。
「うーん、普通小さな国にも守護聖霊っているんだ。
国そのものの土地を枯らさずに命を芽吹かせる源っていうのかな。
聖霊はそもそもそういうモノだしね。
俺は東霊国〈ロザリア〉の誕生から東霊国〈ロザリア〉を守護する大樹の聖霊なんだ」
「大樹?」
「この大陸の国って、地面に張った大樹の根が支えてるんですって」
「ああ、それは…」
元々のこの大陸が、四つの巨大な大樹で支えられて成り立っており、大樹なしでは大陸は形をとどめないとは聞いた。
「その大樹そのものの聖霊ってことです。
幸村さんが。
だから、幸村さんがいなくなったら東霊国〈ロザリア〉は本気で本気で滅ぶんですよ。
東霊国〈ロザリア〉の傍の小国も道連れでしょうね。助かるのは他の三本の大樹に支えられた大国のみ」
「………えー、……だから、それを助けた俺は」
「国の存亡を救った恩人、ということだ。
力を貸すのは当たり前だろう」
「…………スケールでかくて」
ついていかん、とぼやく。
「それにお前さんのことじゃ。ずっと傍で様子見くらいしとって、それでこいつなら悪い目的はもたんて確信、信用したからこいつに助けて言うたんじゃろ?」
「当たり前」
「そういう理由じゃの」
仁王に重ねて言われてもやっぱり納得し難い。し難いが、それで白石を助けられるのなら、その力を借りずにはいられない。
「……よろしく頼む」
「頼まれた。
で、精市から聞いたが、その『白石蔵ノ介』。
西霊国〈ジュリエッタ〉の本来の王位継承者だな。
先代国王とともに死んだと報じられていたが、魔法を扱えるために幽閉されていたのか」
柳の言葉に、赤也がへーとだけ呟いた。
よく考えたら危険ではないか?彼らも『魔法を扱える人間』の価値を知らないわけではないはずだ。
「あ、大丈夫ですよ?」
千歳の危惧を見抜いて赤也がさらっと手を左右に振った。
政治に疎そうな態度でしっかり胸中を見抜いてきたことに少し驚く。
「東霊国〈ロザリア〉が何故、他の三国に圧倒的優勢を誇るかわかるか?」
「…いや」
「誰も東霊国〈ロザリア〉本国に攻め入れる軍はいないんです。
この国は聖霊に守護されてます。守護聖霊に見放された他の国と一緒にされちゃ困るんですよね」
赤也が周囲の聖霊たちを見遣る。
彼らは大樹の聖霊ではないが、昔から東霊国〈ロザリア〉と共にあった聖霊。
王族との契約を経てこの国の守護聖霊になったという。
「なにも本気で軍を動かす必要はない。
聖霊は驚異だ。
その気になれば西霊国〈ジュリエッタ〉に忍び込んで人間一人連れてくるなど造作もない。
そのための力としてうちの守護聖霊を貸してやる。彼を救出後、この国に逃げてくればいい、国ごと味方になってやる、…という話だ」
淡々と、しかし笑っていった柳に『お前王族じゃねーだろ』と丸井が突っ込む。
「柳たちを疑うのは結構。
けど、そうやって時間使う間にその人間が酷い目に遭ってんだろ?
俺達を疑うか悩むのは取り敢えず助けてからにしたらどう?」
丸井の言葉も、実際その通りだ。
ここまで来て、彼らを疑って悩む暇すら惜しい。
「…わかった。
力、貸してくれ。
…あいつを助けに行く」
「はい、任された」
赤也が親指を立てて微笑んだ。
宙に浮かぶ身体にはもう馴れた。
「今、真田たちに会いに出たね。じゃ、降りて行こうか」
目の前に立つ、高い塔に彼がいる。
赤也たちと同じ理由で協力に応じた国王の真田が出した策は、自分と赤也が休戦の申し入れに行くというもの。難攻不落の東霊国〈ロザリア〉の王族の自ら足を運ぶ申し出を一応は受け入れる筈だ、殺すためであっても、と。
ただ殺さず、東霊国〈ロザリア〉の国を守る力を探る筈。その間、長い時間を稼げる。そして向こうは兄王・弟王共に場に来る。だからその間に助け出せ。
「仁王も気が向いたら助けに来るよ」
「あんまり来て欲しくなか」
手を付いた堅い扉を閉じる幾重の鍵を、幸村の指先一つが破壊した。
「じゃ、俺とブン太が見張りしとくから」
早く迎えに行け、と促されるまでもなく入った室内は暗く、小さな明かりが橙色に部屋を照らす。
その中央の寝台に横たわる、シーツを一枚だけかけられた身体。
「蔵ノ介っ…」
思わず駆け寄った視界には、シーツから覗く足に夥しく流れた精液の跡と、胸や至る場所に散った赤い痕。赤い印は色が違うものも多いから、毎日のように抱かれてついたものだろうとわかった。その目尻にはまだ渇いていない涙が滲んだままで、相当辛かった筈だと思えて苦しさに自分まで泣きそうになる。
「…蔵。蔵ノ介…」
それでも、堪えて静かに名前を呼んだ。
「蔵ノ介」
「………」
意識の戻らない肢体に、長居は出来ないと抱き起こすと、シーツを巻き付けて寒くないよう上半身に自分が着ていた上着を袖を通して着せた。
そのまま背負おうとした時、ふ、と開いた瞼。瞳が一瞬怯えて、すぐ見えるのが優しい彼の微笑みだと気付く。
「…………」
ぱちぱちと瞬きした瞳が、手がおそるおそる伸ばされて千歳の頬に触れた。
「…嘘や…まぼろし?」
「嘘やなか。…おるよ。ここに」
「………千歳?」
「うん…」
「…っ…もう…!」
手を伸ばしてすがりついてきた身体を強く抱きしめる。
「もう二度と会えないって思ってた…」
「…馬鹿言わんね。…あのまま、お前を忘れて生きられる筈なか。
…お前は、たった一ヶ月でも俺にとって、大事になったと」
「…っ」
「…さ、行こ。外に。
今度こそ、守るから。…一生」
「……っ…千歳…」
泣きじゃくる瞳から涙を拭うと、背負って扉の外に出る。
「今、真田と話してるからまだ当分来ないし、気付かないよ」
「たいね…」
「…千歳? その人は?」
「俺に協力してくれとう聖霊。他にもおっとよ。
とりあえず、丸井」
「はいよ」
「捕まっとうよ? 蔵」
「…え?」
塔と城を繋ぐ回廊の縁に足をかけた千歳が、そのまま勢いよく飛び降りた。
「…う、わっ!」
その下は遥か彼方に地面。当然死ぬ高さ。
咄嗟に目を瞑った白石を抱えたまま、千歳の身体が不意に落下を止めた。
そのままゆっくり浮遊して、城の外壁の外の街に降りる。
「…え? え?」
「今のは丸井って聖霊の力ばい。さて、こっから東霊国〈ロザリア〉まで行くとよ」
「…え?」
白石には意味がわからないばかりだ。東霊国〈ロザリア〉は千歳に教わったが、とりあえずここからとても遠いのは知ったし。
「幸村がおったい」
「ハジメマシテ蔵ノ介。俺は東霊国〈ロザリア〉の守護聖霊の幸村。
東霊国〈ロザリア〉まで限定で瞬間移動魔法を使える。
今から東霊国〈ロザリア〉王城に飛ばすから、千歳にしっかり捕まってること」
「…あ、…うん」
頷きながら、一瞬髪を引かれるように城を見遣った白石の手を強く千歳が握る。
「お前が従兄弟を少しでも大事なんはわからん。
ばってん、もう、お前をあそこにはいさせなか。
蔵。ひどかこつ聞くよ。
俺とあいつら、どっちと生きるのがよか?」
そう聞く千歳の顔は、優しくて。
笑う顔は、自分の中で一番優しいんだ。
彼が、誰より優しいって知ってる。
「…『ちとせ』」
「蔵ノ介。…やっと言える」
そっと顔を覗き込んだ千歳が、微笑んで掠めるようなキス。
「…愛しとうよ」
「……っ」
「あの時の返事、やっと言えた」
「…とせ……。だいすき……」
「うん」
頷いた千歳の視界も、白石の視界も光に消えていく。
一秒の後には、そこに誰もいなかった。
兄王である謙也と話している真田弦一郎の話は筋も通っていたし、口を挟む矛盾もない。
ただ、急なことだけ解せないが。
光の前、二人から離れたテーブルに向かい合うのはその跡継ぎで、義弟の赤也という少年。歳は同じと聞いたが。
「聞いてへんでええん?」
「別に。俺は真田さんのいうことほぼ理解出来ねーし。
あの人のやり方は追々覚えてきゃいいの」
「まあ、そうやけどな」
「つか、お前らが珍しいんだって。歳の近い従兄弟が二人で王とかいうのが」
「…わかっとるわ」
「真田さんが…あ、やべ、弦一郎って呼べって言われてた」
そんなことはどうでもいい。
「………そういや、さあ」
不意に赤也が意味深に笑んだ。
「ここの国って、もう一人従兄弟いたよね? あんたらの。
あ、いた、か」
一瞬ぎくりとしたが、付け足された言葉に内心安堵する。
聞こえたらしい謙也もその様子だった。
「そのいなくなった従兄弟だっけ?
そいつだよね。本当の王様」
「まあ、生きてたらな」
「すっげー…綺麗な銀の髪してんだって? 見てみてー」
頷きかけて、光は声を失う。
白石の髪の色など、他国の王族はまず絶対、知らない。
「すぐに見れるから落ち着け赤也。…というか、銀の髪なら仁王もだ」
「人間の『銀の髪』はその…蔵ノ介?さんだけっしょ!」
がたんと椅子を立った謙也を下から見て笑うと、真田は無遠慮に立ち上がった。
「『魔法使い』の救出は終わった様子なのでお暇させていただく。
赤也」
「はーい」
「ちょ、…それどない意味…」
「『魔法使い』なんて、この世界に一人しかいないでしょ?」
べ、と舌を出した赤也の傍に、散った閃光がすぐ一人の青年になる。
仁王だ。
「じゃ、こいつらは連れて帰るなりよ」
「仁王さんっ! ナイスタイミング!」
「俺はタイミングにかけては天才じゃ」
声が届くより早く、仁王が指を鳴らした瞬間、三人の姿は消えていた。
→NEXT