HOLYDAY GAME


『千歳なんか大嫌いや!』

 あの、涙に歪んだ声が、離れない。

「千歳、お前は今日は作業を休め」
「え」
「そんな顔では、怪我するのがおちだ」
 手塚に言われて、頷くしかなかった。
 白石はどこを探してもいなくて、ただ道を歩いていた。
 ただ、忘れたかった?
 いや、彼を、抱き締めたかった。
 早く、会いたいと鼓動が急かすから、身体が熱を帯びて媚薬になる。
 好きだと、思う。
 あの泣き声にすら焦がれて、欲情を覚える自分は、彼がいなければ呼吸も出来ない。
 あの声すら、自分を求めているように思えて。
「…雨」
 降り出した雨に、木陰を探した。
 しばらく降りそうだ。
 そこで、不意に視界の隅。
 よぎった白金の髪に、心臓がはねた。
 疲れ果てたように、空を仰ぐ弱り切った姿は、間違いなく。
「…白石…?」




(足、痛い…)
「………」
 冷たい。痛い、な。

『白石』

「…………」
 押し倒されて、浮かんだのはあの声。
 千歳。
 抱き締めて。拒まないで傍にいたい。
 傍に、いたいよ。
「…もう、俺の邪魔せんで…っ」
 俺のどの心も、俺と千歳の邪魔をしないで。
 素直に、あの腕の中に帰らせて。
「………千歳」
「白石!」
「…………」
 駆け寄った足が、身体が、声が。
 彼で、幻かと疑う。
「白石! …足、どげんしたと? …白石」
「…ちとせ?」
「うん…」
 涙が溢れる。
 ぎゅ、とその胸にすがりついた。
「…嘘や、千歳は、俺を助けになんか…」
 来ない、そう言おうとした冷たい唇を撫でて、微笑んで言う。
「…嘘やなか。ここにおる」
「……千歳」
 しがみついていた腕が力を失う。
「白石!」
 意識を失った身体を抱え上げて、千歳は必死に合宿所を目指した。




「わかった」
 白石のことを越前に聞いて、手塚は橘たちを集めた。
「ということらしい。悪いが、数人で白石を迎えに」
「おい、あれ…」
 橘が合宿所の向こうの森を指さす。
 まだ止まない雨の中、その身体を抱いて歩いてくる長身。
「千歳…」
 越前が思わず見遣って、小さく苦笑する。
「千歳と白石を部屋に連れていって、具合を見てやってくれ」
「ああ」
 橘が頷いた。



 足の怪我は軽かったが、熱は高く白石はもうろうとした意識で眠り続けている。
「千歳、看病代わろか?」
「ううん」
「そか」
 これ代わりの水。と頭を冷やすタライの水を渡して謙也は部屋を出ていった。
「………白石」
 こんこん、とノックされた扉に返事をする。
 すると、遠慮がちに入ってきたあの後輩が、眠ってる?と聞いた。
「うん」
「……白石さん、」
 溜息をついて、越前は言った。
「言ってたよ。誰も、俺と千歳の邪魔せんで、って」
「…白石が?」
「うん。白石さんのいう“みんな”って、自分の中の意地とかプライドとか嫉妬とか、とにかく千歳さんに飛び込めない自分の心のことだから、…本当は、飛び込みたかったんだ、千歳さんの腕の中」
「……白石…っ」
 呼んだ声に引っ張られるように、握っていた手に力がこもった。
「…っ」
「……ん」
「…白石!? 目、覚めたと? 大丈夫と? 痛くなか? 苦しくなか?」
「………ち、とせ」
 呼ぶ声に、ああ、本当にと思った。
 それで、越前は踵を返して部屋を後にする。
 あんな風に、千歳を呼ぶ声を聞いて、なお好きだなんて言えない。
 見ているだけは寂しいけど、あんたがその人しか望まないなら、
 俺は、寂しいを我慢するよ。



「………白石」
「…ちとせ」
「! 起きたらいかんと…、まだ寝てるたい」
「……」
 不安に見上げる翡翠は間違いなく千歳一人を映して、心細く揺れる。
「……ぎゅって、してくれへんの?」
「……白石」
「……嫌いなんて嘘や。……嘘やから、…捨てへんで。
 ……千歳」
 その瞳から涙がこぼれる。
「……千歳」
「っ」
 もう、堪えられる筈がない。
 必死にその細い身体を抱き締めた。
「…白石、好いとう。好いとう…。
 愛しとうよ…」
「…千歳……」
 ぎゅ、と背中に回される細い手。
「好き…」
「……うん」
 随分遠回りをしたけど、やっと言えるよ。
「……白石だけが、おれば俺はよか。…好いとうよ」
「……小日向さん」
「あれは白石のこと相談しとっただけたい。
 白石以外を、愛しいって目で見るつもりは、一生俺にはなかね」
「………」
 言葉はなく、ただ必死にすがりつく身体が答え。
 だから抱き締める。強く、深く。
「……白石」

「大好きとよ」





 白石の意識も戻って、容態も安定したと聞いて、跡部はそうか、と山側に使いに出していた鳳に言う。
「俺、明日もう一回見て来ますよ」
「ああ、頼んだ」
 声をかけて、失礼しますとその場を去ろうとした鳳が、不意に止まって一点を凝視した。
「…鳳?」
「……あれ? 木手さん…?」
 見ればどこか疲れたように広場の隅に立ち止まって、彼らしくなく周囲を見回すのは木手その人だ。
「珍しいですね…。滅多に広場なんか来ないのに」
「そうだな…」
 帰ってろ、と鳳に言って跡部は近づいた。
 静かに近づくつもりは毛頭ない。武術家の彼にいくら静かに近寄っても無意味ということくらいわかるので。
 しかし。
「おい」
 不躾にかけた声に木手は予想外に身体をけいれんのように跳ねさせて驚いて、おそるおそる振り返って、跡部だけだと確認するやいなや、その場に座り込んだ。
「…驚かせないでください」
「…いや、驚かすつもりは全くなかったぞ…」
「…ああ、そうですよね。そうでした」
「どうした? てめえがこっちにこの時間にいることもそうだが。
 …普段なら気配で気付くヤツらしくもねえ」
「……いえ、それは」
 木手が濁そうとした刹那、遠くで木手の名が呼ばれた。
 その声に木手が身を竦ませて、咄嗟に跡部の傍にいた樺地の巨躯の背後にしゃがんだまま隠れる。
「…木手?」
「しっ…静かにしてください!(小声)」
「…?」
 いぶかしむ跡部の元に、その声―――――――――――手塚がやってきて、唐突に聞いた。
「跡部」
「ああ、手塚。どうした。白石んことでなんか」
「いや、白石は落ち着いている。熱も夜になってだいぶ下がった」
「そうか。わざわざありがとよ」
「いや、俺の用事はそれではない」
「?」
「木手を見ていないか?」
 手塚の位置からでは木手の姿は見えない。しかし、跡部の角度からは木手は見えていて、木手は珍しく青い顔で必死に首を横に振る。
 いないと言ってくれ、という意味だとすぐわかった。
 しかし、手塚にここまで怯える(というと木手になんだか似合わないが、そうとしか言えない)必要が木手にあるとは思えない。
「自分のロッジにもいない。見ていないか」
「なんかしたのかよ? 今日は比較的おとなしいもんだぜ?」
「いや、……ただの習慣だ」
「…無理矢理キスすることのどこが“ただの習慣”なんですか……っ」
 巨躯に隠れている木手の頭を抱えた小声の嘆きは、手塚にはどうやら聞こえなかったようだ。跡部にはしっかり聞こえたが。
「……手塚、お前……」
「なんだ?」
「…いや、なんでもねえ。とにかく、木手は見てないし、ここらにゃいねえ。
 あいつがこっちに来るかよ。海ならまだしも」
「…そうだな。すまない。今日は戻るとする」
「ああ、そうしろ」
 背中を向けた手塚の遠ざかる足音が止んで、跡部は溜息を吐くと、木手を覗き込んだ。
「お前…なにされてんだよ、あいつに」
「…知りませんよ! それは最初は事故でしたけど、それ以降なんのスイッチが入ったのか…!(小声)」
「もう手塚はいねえから小声で話さなくていいぞ…」
「………俺が聞きたいんですよ。…なんなんですかあの人。
 集団行動を乱した罰にとか言ってますけど、普通気持ち悪くないですか。
 ろくに面識もない男なんかにキスするの。それとも彼、そういう嗜好が?」
「いや…女癖すらねえやつだな。…確かになんかスイッチ入ったのか…? 変な」
 甲斐たちに言ってるのか?
「…まさか。言えるわけないでしょ。あっさり掴まってるなんて…」
 比嘉ではリーダーである木手には相応のプライドもある。
 あっさり素人の手塚に掴まっているなど、導かねばならない甲斐たちには言えることではない。
「……あれもなぁ、たまに感覚だけでどうにかしてるとこがあんだよ。
 俺もたまに驚く」
「…どうにかなりませんか」
「……どうにかしてやりてえがな。正直そこまで逃げてんの見ると流石に」
 言って嘆息した跡部が、はたとなって手を打った。
「…“集団行動を乱した”ら、っつったな?」
「あ、ええ」
「お前、俺達に疑心はまだあんのか?」
 木手たちがなんらかの考えで離れているのは知っている。
 無理に仲間にいれても空中分解が関の山、と説得は諦めていたが。
「…いえ、最初はありましたが」
「今はほぼねえってことか」
「ええ…監督たちの行方だけは解せませんが」
「なら、明日からちゃんとこっちで作業するよう甲斐たちにも言え。
 お前もだ。
 そうすりゃ、集団行動に習ってることになる。
 手塚はマニュアル通りなとこがあるからな。
 そうすりゃお前にちょっかいは出さない筈だ」
「……本当ですか?」
「ああ、それに、こっちにいりゃ誰かしら傍にいるだろ。
 そうすりゃ傍にいるヤツがなんとかする。手塚がお前になんかしようとしてもだ」
「………わかりました。考えてみます」
「よし。…で、本当に手塚はいねえ。だから、いい加減樺地の影から出てこい……」
 これじゃ、まるで猫に怯えたハムスターを宥めてる気分だ、と跡部は思った。







「肝試し?」
 一方山側。
 向日が持ってきた話に、財前が思いきり、この人頭大丈夫かという目で見下ろした。
「うわ、日吉みてえに失礼な」
「がっくん」
 後から追ってきてロッジに入ってきた忍足が、その小さな頭を叩いた。
「なにすんだよ侑士!」
「お前はTPOを考えぇ! こいつらの部長が今熱出してんやぞ?
 だいぶ下がったとはいえ…。心配やろが。
 それ放置で肝試しか」
「…あ、そっか。そうだった」
「もうちょいはよ気付こうな?」
「…ごめん」
「ってことや。ごめんな財前」
「いえ…いいっすけど」
「何の話?」
「うお! って蔵ノ介!? おまっ…熱は…」
 忍足がびびって振り返った先、ロッジの入り口できょとんと佇むのは白石だ。
「部長!?」
「え? 白石!?」
「蔵ノ介! お前、熱…」
「ないない。下がった。手塚くんの許可もろたし」
 忍足はいぶかしむように白石の額に手を当てる。熱はない。いや、むしろ冷たい。
「…ほんまや」
「で、肝試し?」
「あ、ああ」
「あ、白石が平気ならいいよな! やろうぜ!」
「岳人、自分…」
「ええやん。やろか」
「よし!」
「蔵…」
「ええって。謙也と財前は?」
「あ、ああ、ほなら…やる」
「部長がやるんなら」




「じゃあ、ルールを説明するよ。二人一組でほこらまで言ってボールを置いてくる。
 途中、海側の脅かし役がいるからね」
 説明する大石を余所に、謙也が不意に白石を覗き込む。
「そういや、足は?」
「いや、平気」
「そか、…千歳は?」
「それが…」
 白石が呆れたように説明しかけたところで、大石がくじを出したので有耶無耶になった。
 謙也は財前と、白石は忍足との組み合わせ。
 順番は白石たちが後で、謙也たちは先に森の中に入っていった。


「…謙也クン、服引っ張んな」
「や、やって」
「脅かし役以外いるわけないでしょ」
「そうやけどな」
「…襲いますよ」
「っ!」
「で、俺といるかわからんお化け、…どっちが怖い?」
 謙也を傍の木に押しつけて、顎をそっと指で持ち上げると徐々に赤くなる顔に迫ってキス出来る距離で聞く。
「ね…謙也クン? どっち?」
「…………お」
「お?」
「お化け…」
「…はい、ようでけました」
 にっこり微笑んだ財前に、胸をなで下ろす。
 あの場合、普通は“光”と答えるのが矛盾がない。
 しかし、あの場で“光”などと答えたが最後、暗闇をいいことに本当に襲われるのは明白だ。
「…え、あの、光。もう、離してくれへん?」
「え? まだ、次の部長たち来ませんよ。もうちょいありますって」
「い、いや…あのな、あかんから…はなし」
 離れるどころかますます身体を密着させて耳朶を噛む刺激にびく、と震えて低く耳元で笑う後輩の声を聞くと途端身体が熱くなった。
「…なに、謙也クン」
「なに、やのうて…」
「ね…謙也クンくらい、でけると思いません?」
「は…?」
「やから…“謙也クンイかすくらいやったら、出来る”と思いません?」
「っ! いや無理…っ!」
「そういわんと…正直、毎日部長と先輩おってしんどいんはあっちだけやないって話や。
 俺も、謙也クンの鳴いた声聞けんのなかなかクるし、ここらで一回」
「い、いいいい、一回やない阿呆!」
「往生際悪いわ謙也クン、ほなさっさとヤりましょか。
 ああ、謙也クンは立っとるだけでええし」
 笑った後輩がハーフパンツに伸ばした手に、謙也が悲鳴をあげそうになった瞬間。

「あの〜」

 傍の木の裏から響いた、なんとも言えない声がその場の空気をぶちこわした。
「…?」
「うお! …おおおお、」
「お化けじゃありませんよ。…あの、こんなところで始めないでください。
 そんな刺激的なこと」
 苦笑混じり、というか苦笑するしかない、という人のいい声と共に、茂みから脅かし役だったらしい鳳が顔を出した。
「鳳…」
 呼んだ財前があからさまに舌打ちしたのは確実に鳳に届いただろうに、鳳はにこやかに笑うだけだ。流石あの跡部の後輩、と多少冷えた頭で謙也が思う。
「すいません。邪魔するつもりじゃなかったんですけど。
 最初、冗談かなって見てたんで…そしたら、どうもそうじゃないみたいだったから」
 すいません、と頭を下げる鳳にあわてて謙也がいやいやいやと手を振った。
「こっちこそすまん! うちの馬鹿な後輩がところ構わずサカって」
「謙也クン…助かった途端、ええ度胸っすね」
「…い、いや、…光。やっぱ、ここはやばいやろ、な…」
 とんでもなく低い声で言われて、財前を振り返れないまま謙也は笑う。
「…まあ、そっすね。どこに邪魔いるかもわかりゃしませんし。
 じゃ、わかりました。もー何もしません。行きましょか」
「あ、ああ」
「お願いします」
 鳳の穏やかな声に押されて歩き出しながら、助かった、と繰り返す。
「謙也クン」
「…な、なんや」
 相変わらずとんでもない低い声に思わずびびって声が裏返る。
 その謙也の手を握って。
「…これくらいなら、ええですよね?」
 低い体温が少し汗ばんで手を掴む。
 その見上げる顔は、幼く伺うように見上げた。
「……ああ、こんくらいならな」
 その中にいつもの後輩らしいあどけなさを見つけて、安心した謙也は握りかえすと微笑んだ。



「あいつら、どこまで行ったんやろ。だいぶ来たんに戻ってこん」
 途中を歩く忍足に、白石が心配性な、と笑った。
「やってなぁ…あの財前はともかく、謙也がなぁ」
「ああ、謙也、恐がりやんな」
「そうそう」
「でも、謙也たちは安全ちゃうん?」
 白石はあくまでも笑った。
「なんでや? 俺と蔵ノ介が脅かし程度でびびるはずあらへんのやし。
 あっちの方が危ないわ」
「そうか?」
「そーや。あ、そういや、千歳の許可よくもらえたな」
 不意に思いついて聞く。
 或る意味、手塚の許可より難解だ。
 白石は矢張り笑う。
「…蔵ノ介?」
 いぶかしんだ忍足が足を止めた先、白石はくすくすと笑うと、不意に忍足の右手を掴んだ。
「く…」
 その翡翠に下から覗き込まれて、忍足が本格的におかしいと思った瞬間、気付く。
 手が、掴む手が、異常に、冷たい。
(…ちゅーか、生きた人間の、体温と…違う)
「…お前」
 青ざめて数歩後ずさった忍足に“白石”はくすくすと笑うと、その綺麗な顔を真っ白に染めて囁く。
「油断大敵…やなぁ。“忍足侑士”。…“白石蔵ノ介”の幼馴染みにしては、気付くん…遅いわ」
「…っ」
「散々付き合わされて、怖い経験値はあるはずなんに…のうのうと俺疑わずに…。
 東京行って離れて、脳味噌ふやけたん?」
「……誰や。蔵ノ介の姿すんの、悪趣味やで」
 最初こそ驚いて恐怖にのまれかけたも、そこは霊感持ちの白石蔵ノ介の幼馴染み。
 すぐ冷静を取り戻すと、にらみつけて問う。
「へえ…びびるんもう止め? 度胸あんね…。
 けど注意力散漫や。…あの熱で、その日にさがるはずないやん?」
「誰や!」
「誰でもない。…忠告や。
 こっから先、行くな。…危ない」
「…え?」
「うわ! …あれ、白石に侑士?」
 低く“白石”に言われた刹那に、声がして振り返ると謙也とその後輩の姿。
「あれ…? 俺ら、ほこら向かってましたよね?」
「ああ、なんに、なんで通った道に出んの…?」
 訳が分からず視線を彷徨わせる二人に、忍足は“白石”を見遣る。
「自分の仕業?」
「まあな。やばい言うたやろ?」
「…自分が、本物の“敵”ちゃうんはわかった。確かに忠告や」
「わかったならええ」
「…え? 侑士? なに言うてん?」
「…ほな、こっから先は今日は行くなや? 今日は島の禍つ日や。
 そんな日にほこらなんか行ったらあの世や。
 …ええ子やから、このまま帰るんやで?」
 唇に指を立てて笑う“白石”を、そこで財前が異質なものとして見た。
「忍足さん…この人」
「ああ、…蔵ノ介やない」
「え?」
「…やない、ってことはないよ。…まあ、すぐわかる。
 禍つ日の説明は、本人に聞きや」
 それだけ言い終えて、“白石”は忽然と消えた。
「…え、え、え」
 ついていけない謙也が恐怖の疑問符をしばらく漏らした後、賢明にも両手で己の耳を塞いだ忍足と財前の傍で叫んだ。
「っぎゃ――――――――――――――――――――――――――!!!!!!」









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 千蔵編が終わったのでデザイン変更。
 こっから千蔵は相談役に回ります。でもリョーマはちょっかいかける、絶対。
 でも千歳と白石の魅力で一緒に盛り上がっててもいい。
 でもラストは千蔵で締めます。
 ゲームプレイしたことある方はご存じ、この話はラストは洋館ルートですよ。
 千歳と白石もいますよ。
 ここのホラーは私のプレイ時の早とちり。
 大石とはぐれた菊丸が一人で来たので、まさか菊丸の姿をしたなにか…!?
 と馬鹿な想像をしたら裏切られました(当たり前だ)
 悔しいのでここで使ってみました。
 …私だけですよね、そんな想像したの。