雨の中でも感じるように


傍であなたの吐息と声を聞いて


 ずっと傍で笑っていたい


 他に誰もいないから


今あなただけを愛している


愛しくて


切なくて




 花が綻ぶように抱きしめていて




「 ごめんなさい 」


 「 でも、俺の、俺のたった一人好きな人への、 」


「 …初めて好きになった人への、その人だけの … 」




『 blind summur fish 』

− ブラインド サマー フィッシュ −



白い人魚は謳えない


それがお伽噺の人魚姫


人魚姫は王子に会う代償に声を差し出した


けれど、その白い人魚には声があった


人魚は謳えた


人魚は美しかった


人魚は全てを持っていた


けれど



人魚は絆を知らなかった


独りぼっちの人魚


人魚に初めて微笑んだのは


人魚を愛した一人の人間


人魚姫を泡に帰した王子様のように


彼は誰かを愛さなかった



blind summur fish

魔法の言葉

白い人魚を、彼は愛した